就活中の大学生にとって自己分析は大変です。
本来自分が何に価値を感じているか、何が得意かなど、
これまで深く考えることが少なかったことに、
しっかり時間をとって向き合わないといけません。
それにもかかわらず、時間制限がある中で、
SNSでの年収やキャリア論という自分にとって
本当に価値があるのかわからない意識高い情報に晒されながらやらないといけません。
こういうものは本来自分の軸が分かったうえで取捨選択し
取り入れるべきものであって、
どんなに過去の経歴が凄い人のアドバイスであったとしても、
自分の価値観とベクトルが同じでなければ本当に役立つとは言えません。
また新卒就活だとポテンシャルを見られるため
意欲の高さを示すことが求められます。
そのため自然と意識高い状態になってしまい、
本当に今見ている意識高いメディアの情報が自分のベクトルに合った情報かのように
見えてしまいます。
就活生が置かれている構造は考え付くだけでも以下のような大変さがあります。
①ポテンシャル採用のため意欲の高さを示さないといけない。
自分の軸がある前提でないとつらい。
②仕事経験が少ない中で、凄そうなキャリアの人や社会人経験のない内定した先輩、
時代の違う親たちの有益そうなアドバイスに晒される。
大量の有益情報処理で自分の感覚が置き去りになりやすい。
③インターンが実質選考など時間的タイムリミットがあることによる焦り。
④正解のある学校教育から、正解を探らないといけない社会人へと急にルールが変わる。
頭でわかっていても正しいかどうか不安。
⑤人材エージェントや、各社の採用担当による営利団体からのアプローチが来る。
完全な善意でアドバイスを受けてきたところから、
自分の考えがある前提でのアドバイス・勧誘対応。
社会に出る年齢になったとはいえ、
急に弱肉強食の世界に放り出された気分になってもおかしくありません。
これを理解した上での悪質な就活ビジネスがあるくらいですので、
世の中が信用できなくなってしまっても無理はないと思います。
本記事では、入社4年(執筆時)の筆者の事例を
正解例としてではなく、あくまで一つの例として示したいと思います。
本記事(シリーズ)を読むメリット
・価値観や強みを探るための一般論としての手法ではなく、
就活からその後まで4年目の実際に筆者がしてきた思考や体験からケーススタディをできる。
・自分に合った就職が大事なことを知ることで就活時独特の焦りや雰囲気の異常さに気が付き、他者との比較に費やしてしまうエネルギーを取り戻す一助になる。
冒頭に述べたように、本シリーズも皆さんにとって外部の情報に変わりありません。
就活という一時的な、異様な構造の中にいる方が、
”その後”を知ることで肩の力を抜けるようにすることを目的としているため、
どうしても焦りや不安を感じてしまう場合は、読むのをやめていただくのが良いと思います。
むしろ理屈を超えて、その感覚を察知する積み重ねが、就職後の満足いく生活をつくっていくと考えています。
就活編
筆者は、浪人を経て本当に行きたかった大学に入学し、
興味のある勉強や活動に浸っていました。
面白そうと思える環境に行けたことで、同じような価値観を持った人や
目標となるような人が周囲に多く、かなり良い環境でした。
ところがコロナ禍となってしまい、好きな大学や仲の良い友人とは
オンラインでしか関わらなくなりました。
途中まで充実していただけに喪失感が凄かったことを覚えています。
またこれまで充実して完璧な環境にいたにもかかわらず、
そこを抜け出して就活を早く始めないと乗り遅れてしまうという状況になりました。
コロナ禍でのオンライン就活の苦労などいろいろありましたが、細かい経緯は省きます。
結果として私は以下のように考えて仕事を選びました。
①新卒カードは最強なので初手では行ける限り大手に入っておきたい。
②激しすぎる業界は無理なので、安定して利益も出している穏やかな業界が良い。
公務員だとビジネス的視点がなく、転職できなそうなので、
インフラや生活に欠かせない製品を作っているB to B企業が良い。
それなら無理な営業をしなくても安定して利益が出ていそう。
③どうやら化学業界は比較的残業少な目で、
給与水準も高そうだ。
商社よりメーカーの方が堅実でコツコツやる人が多そう。
また、この業界はいろいろな業界とかかわりがあるので、潰しが効きそうだ。
④職種は性格上コーポレートがよさそう。
しかし穏やかかつ比較的高待遇の一点張りでできる仕事しか選ばないのは逆に怖い。
穏やかな業界なら営業に何とかついていけるだろう。
営業はコミュニケーション力、プレゼン作成、製品知識、
数字管理など浅く広くできるので潰しが効きそうだ。
また社内的な立場も強く、自由にやれる要素も多いと就活系Youtuberがおすすめしていた。
こうして化学メーカーをひたすら受け続け、受かった中で信用できそうな会社を選びました。
社会人編へと続く。
コメント